【EC座談会2020】#5 フルファネル戦略 顧客獲得の為の広告運用の課題と解決策 前編

第5回EC座談会

大手食品メーカーD2C新規事業開発の責任者と、コスメD2C事業の経営者の2名の相談者を交えて【EC座談会2020】を実施しました。今回は5回目の連載となります。

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1.5つのCRMテーマ

ファシリテーター尺田(以下、尺田):
ECシステムの基本的な機能について、課題の提示とポイントについて整理しましたね。EC事業運用のポイントから見て、連携すべきシステムや、連携するためにECシステム側で必要なことについて、より詳細なお話しを進めましょう。

顧客体験のフェーズからの視点で、新規顧客、既存顧客、離反顧客という態様の変移がありましたが、CRMテーマとしてカテゴリーを整理してみましょう。

1. どのように新規顧客を獲得するか
2. 獲得した顧客をいかにロイヤル顧客に引き上げるか
3. 顧客の購買単価をいかに引き上げるか
4. 顧客の購買サイクルをいかに短縮させ購買回転率を高めるか
5. 顧客の離脱を防ぎいかに顧客継続期間を延伸させるか

2.どのように新規顧客を獲得するか

相談者児嶋社長(以下、児嶋):
前回、ECビジネスは広告ビジネスであるとのご説明いただきましたが、弊社でも広告出稿していますが売上は伸び悩んでいます。どこに問題があるのか、アドバイス頂けますでしょうか。

尺田:
顧客になるまでの、プロセス・顧客体験におけるアドバイスということですね。
こちらは、実際に運営されているアドバイザーの滝沢様から1つ1つポイントを絞って教えて頂きましょう。ここで、関係して連携するシステムとしては、先ず、広告配信・管理ツールですね、後は、LP作成ツールと、ABテストツール、そしてヒートマップでしょうか。

アドバイザー滝沢(以下、滝沢):
基本的なツールはそうですね。それでは、児嶋社長、現状の貴社の広告出稿先と社内体制について概要を教えて頂けますでしょうか。

児嶋:
今現在の弊社では、アフィリエイト広告からの流入が80%、GoogleやYahoo!のリスティング広告での流入が15%です。今後の施策として、LINEやInstagramのSNS広告を検討しています。オフライン広告(新聞、チラシ、TV)は展開した方が良いって言われるのですが、迷っています。

運用体制は、自社でディレクションしていますが、制作と運用はほぼ外部パートナーエージェンシー任せです。

滝沢:
ありがとうございます。新規獲得のための広告企画・運用管理のポイントに絞ってお話しを進めましょう。

3.3C分析シートを策定してアフィリエイターに依頼をかける

滝沢:
先ずは、アフィリエイト管理(成果評価・確定運用管理と、LTVとの関連性)ですが、弊社もアフィリエイターへの情報提供として、対象顧客、自社・商品優位性、競合比較という、俗にいう3C分析シートを策定して依頼をかけています。
これをベースに、CPAとCVRを先ほどのとおり、関連する連携ツールのデータとECシステムの顧客データをExcel上で管理しています。
その結果状況と、アフィリエイターの記事内容を確認して、メディア・アフィリエーターへの出稿調整を全体と個別にて行っています。

次に、リスティング広告からのLPはどう管理されていますか。

4.リスティング広告からのLP最適化には

児嶋:
リスティング広告からのLPですが、制作パートナー会社に、構成案、配信先、配信期間、施策主旨を踏まえてデザインからコーディングまで制作依頼をしています。キービジュアルなどの素材は手元にある場合は提供し、必要であれば撮影を依頼しています。

制作物納品後は、社内でLP動作検証とABテストツールへの設定を実施し、ABテストの進行管理と配信予算管理をしています。
ただ、社内にエンジニアがいないので、ABテストに基づいた構成変更は、制作会社に追加依頼することもあります。

簡単なコーディングが出来ると、スピード感やコストも下がって良いのですが、それだけで人材を採用するわけにも行かないので、マーケティング担当者にスキル取得して貰うか、システムで補助出来ると良いと思っています。
分析と改善のためのKPIは、CTRとそこからのCVRとCPAを見て判断をしています。ただ、LPの基本構成ロジックは抑えているつもりですが、LP制作発注ポイント、ABテスト設定・実施、ABテストの基本露出量の設定に課題というか、迷いがあります。

滝沢:
わかりました。弊社も苦労しているので、共感できます。よくある話ですね。

児嶋社長が利用されているASPカートついては、連携するABテストツールとデータの保持の仕方や、タグ管理などを確認する必要があります。今後のECシステムには、広告サイドとの連携での「見える化」や、コーディングサポートなどの機能拡張が進化するのを、期待したいと思っています。

わかりやすくPDCAの視点から言えば、設定しているKPIをベンチマークとして、通常は、ECシステムの顧客管理機能のLTVを参照します。そしてCPAを設定して出稿量の予算管理することになります。またCPAに重要なファクターはCVRになります。CVRへの寄与変化は、LP構成の次の要素で分解してテストを繰り返しています。

・トップ画像、ファーストビューで伝えたい内容が訴求できているか
・課題の提示は、適切な表現、共感を得ているのか
・その課題に対して、私たちの商品をどう課題解決として使うべきなのか
・使用感について、他の顧客の体験に基づいている表現に置き換えてわかりやすくしているか
・顧客の体験が、共感できる内容として表現されているか
・自分の体験ではなく第3者からの評価や、それを実体できる場面が表現されているか
・オファーがわかりやすく、迷いなく購入できるような表現か

これらを、企画制作発注のフェーズから、Excelシートで管理するのは当然ですが、ECシステム側でLTVと関連付けて評価分析できる機能やダッシュボードがあれば、工数の削減だけではなく明確化できるので、対策が打ちやすくなり、売上にも直結します。データ連携機能は必要不可欠です。

CVRは元々が低ければ別ですが、基準値を大きく上昇する数値を叩き出すことはないので、CTRを上げるための媒体管理とオーディエンス管理ができることが優先になります。

CPAとLTVを平均化して事業評価してしまうと、費用対効果が曖昧になりがちです。ですから、CPAとLTVを、媒体やチャネル、クリエイティブ別に分類して、無駄な広告出稿を削ってより効果のあるところへ素早くウエイトをかけることが重要です。

CPAがLTVに比較して高いということは、競合が多い、自社商品の訴求が弱い、そのチャネルの顧客が合致していない、などが挙げられます。改善策を打てないのであれば、広告費用の無駄になりますので止めるべきですね。ついつい、ずるずると出稿してしまいがちです。
これは、ECシステムの顧客管理機能に求められる機能でもあります。

児嶋:
ECシステム側に、広告からの流入と、顧客管理データを紐付けて管理するための機能がないのが普通ですよね、統一して管理できるものはあるのでしょうか。

尺田:
広告管理ツールとの連携は、一般的にプラグインを活用し、自動で測定タグの埋め込みができるようになってきています。それによりユーザーは、売上金額や購入した商品の情報を、広告と紐づけてデータの取得が可能です。
そのデータを利用して、BIツールと連携して詳細分析や、KPIツリーテンプレートに展開するのが、現状は効率的だと思っています。

アドバイザー吉村:
そうですね、無駄な広告出稿の継続は、同じ業界での疲弊を招くだけです。顧客にとって同じ様な魅力の無い広告を頻繁に複数社から表示、提示されるのはネガティブイメージを与えてしまいますので、早々に止めたほうが良いですね。

顧客管理機能から言えば、例えば、キャンペーン&サンプルハンターのペルソナや、データを除外すれば、CPAは上がりますし、LTVもより上がります。そして、広告出稿量が絞れますので、無駄なCTRを失くせて広告費用も削減できますね。

データ分析、抽出機能で言えば、「A+Bのand 機能」「D or Eのor 機能」はどのシステムでも実装できているのですが、対象データからの条件除外「not機能」が出来ないことが多いので、項目設定でどのような抽出、分析、集計が出来るか、また元データを有しているかはポイントになります。




次回は、新規顧客獲得の為のSNS・オフライン広告、社内体制構築について話し合います。


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Six commerce編集部

2019年にスタートしたEC特化メディア。昨今のECシステムの様々な情報を発信します!


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